経済・生活支援制度

傷病手当金について

傷病手当金は病気やケガにより働くことが出来ず、会社から給与が支給されない場合、健康保険組合から給付される手当金です。支給額はそれまでの給与の3分の2ですが、税金がかからないため手取ベースでは3分の2より多くなります。
業務災害又は通勤災害による病気やケガは支給されません。交通事故の場合は別途届出が必要となりますので必ず健康保険組合までご連絡下さい。

給付要件

給付を受けるためには、次の要件をすべて満たしていることが必要です。

  • 1.療養中であること
  • 2.仕事に就けないこと(労務不能)
  • 3.連続して4日以上仕事を休んだ場合

退職後も継続して傷病手当金が受給できるのは健康保険組合の在籍期間が継続して1年以上(任意継続被保険者であった期間を除く)あり、かつ退職日前に既に傷病手当金を受給しているか、もしくは上記の1~3を満たしていることが要件となります。

給付期間

給付される期間は休み始めてから連続した3日間の待期をおき4日目から同一の傷病名について、1年6ヶ月の範囲内です。支給実日数ではなく暦上の1年6ヶ月の意味です。

給付金額

在職者

法定給付 標準報酬日額の10/15
付加給付 標準報酬日額の1/15

退職者

法定給付 標準報酬日額の10/15

標準報酬月額

通常に支給される給料の3ヶ月分(4・5・6月)を平均し、健康保険の定める等級表に当てはめて標準報酬月額を決定します。

標準報酬日額

標準報酬月額の1/30が標準報酬日額となります。

傷病手当金の給付が調整される場合

事業主から報酬等が支給されている方

事業主から報酬(給与等)の全部または一部を受けている場合、その額が給付額より少ない時には給付額と報酬の差額が支給されます

出産手当金を受給している方

傷病手当金と出産手当金が同時に受けられる状態のときは出産手当金が優先します。出産手当金受給期間中は傷病手当金が支給されません。

障害厚生年金等を受給している方

年金額と給付額を比較して給付額が多い場合は差額が支給されます。

退職後老齢厚生年金等を受給している方

年金額と給付額を比較して給付額が多い場合は差額が支給されます。

退職後雇用保険の失業給付を受給している方

傷病手当金は支給されません。

注意事項

  • 支給の対象となるのは医師が証明する「労務不能であった期間」と会社の証明が一致する期間となります。
  • 所定の用紙に会社や病院に働けなかった期間や病状などを記入してもらいます。
  • 被保険者が死亡した場合は相続人の名前で請求して下さい。なお、この場合相続人であることを証する戸籍抄本等を添付して下さい。
  • 同一の傷病又は負傷によって障害厚生年金が支給されるときは障害厚生年金証書等の写し、あるいは直近年度の年金額改訂通知群等の写しを必ず添付して下さい。
  • 退職後の傷病手当金を受給できる方が老齢厚生年金等を受給している場合は年金証書の写しと直近年度の年金額改定通知書の写しを必ず添付して下さい。
  • ご請求は原則、給与計算期間単位で1ヶ月に1枚ご提出をお願いします。支給時に会社に在籍していない場合は個人口座への振り込みとなりますのでご本人名義の振り込み口座(郵便口座を除く)を必ずご記入下さい。
  • 傷病手当金を受給できる日の翌日から2年以内に申請します。
  • 申請から支給まで1週間前後が目安となります。

自立支援医療について

自立支援医療制度とは精神疾患を持ち、継続的に通院医療を受ける方が公費によって医療費の補助(負担軽減)を受けることができる制度です。

多くの場合は健康保険制度による医療費(診察料・検査代・お薬代)の自己負担は3割ですが、「自立支援医療受給者証」を提示することで自己負担が1割以下となります。

負担額の例

再診
(診察のみ)
3割(1,430円→1割480円)
再診
(診察+検査)
3割(5,060円→1割1,690円)

※精神科以外の薬(風邪薬・胃薬・点眼・湿布等)は対象外のため3割負担のままとなります。

「自立支援医療受給者証」の申し込みに必要な書類

  • 自立支援医療費支給認定申請書(保健所または医療機関にあります)
  • 診断書(当院に各地域の診断書がありますので受付にお尋ねください。診断書作成に際して別途料金が必要となります)
  • 世帯の所得状況を確認できる書類(市民税課税または市民税非課税証明書)
  • 世帯の範囲が確認できる書類(保険証の写しなど)
  • 印鑑(朱肉を必要とするもの)
  • 受給者証(更新の場合)

※自治体によって必要書類が異なる場合もあるので区市町村の担当課にお問い合わせください。

提出先

お住まいの地区の保健センター、または各市区町村担当課

申請後に行うこと

  • 申請しますと申請書の控え(または受理書)が渡されます。申請書の控え(または受理書)をクリニックの受付に提出することで申請した日から適応になりますので申請手続きを終えましたら当月中にクリニックの受付にご提出ください。
  • 認定されると自立支援医療受給者証が約2~3ヶ月でご自宅に届きます。受給者証が手元に届きましたら診察の際に保険証といっしょにクリニックの受付にご提出ください。

注意事項

  • 自立支援医療制度(精神通院)を利用できるのは登録している医療機関・薬局のみです。
  • 自立支援医療診断書の提出は「2年に1度」となります。
  • 受給者証の有効期間は原則1年ですので、継続(更新)申請の手続きは毎年必要となります。
  • 有効期間を過ぎてしまってからの申請は「再開申請」となり、自立支援医療診断書(精神通院)の提出が必要となります。
  • 有効期限は申請した日から1年間です。更新の手続きは有効期限の3ヶ月前からできます。
  • 自立支援医療制度を利用していても学校や会社に通知がいくことや、就職に不利になることはありません。
  • 病状、世帯の所得状況によって1ヶ月あたりの患者さんの負担上限額が設定されます。
  • 月の途中で上限額に達した場合、その月はそれ以上の自己負担はありません。
  • 世帯の収入により負担上限額は0円~20,000円となっています。

精神障害者保健福祉手帳について

精神障害者保健福祉手帳は一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、手帳を持っている方々には様々な支援策が講じられています。

対象となる方

何らかの精神障害(てんかん・発達障害などを含みます)により、長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方を対象としています。対象となるのは全ての精神障害で次のようなものが含まれます。

  • 統合失調症
  • うつ病・躁うつ病などの気分障害
  • てんかん
  • 薬物依存症
  • 高次脳機能障害
  • 発達障害(自閉症・学習障害・注意欠陥多動性障害等)
  • そのほかの精神疾患(ストレス関連障害等)

ただし、発達障害があり、上記の精神障害がない方については療育手帳制度があるため、手帳の対象とはなりません。(発達障害と精神障害を両方有する場合は両方の手帳を受けることができます。)

また、手帳を受けるためにはその精神障害による初診日から6ヶ月以上経過していることが必要になります。

等級

精神障害者保健福祉手帳の等級は1級から3級まであります。

1級 精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの(概ね障害年金1級に相当)
2級 精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの(概ね障害年金2級に相当)
3級 精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの(概ね障害年金3級に相当)

受けられるサービス

全国一律のサービス

  • NHK受信料の減免
  • 所得税・住民税の控除
  • 相続税の控除
  • 自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級の方)
  • 生活福祉資金の貸付
  • 手帳所持者を事業者が雇用した際の障害者雇用率へのカウント
  • 障害者職場適応訓練の実施

※自立支援医療(精神通院医療)による医療費助成や、障害者総合支援法による障害福祉サービスは、精神障害者であれば手帳の有無にかかわらず受けられます。

地域・事業者によって行われていることがあるサービス

  • 鉄道・バス・タクシー等の運賃割引(JRや航空各社は現時点では対象になっていません)
  • 携帯電話料金の割引
  • 上下水道料金の割引
  • 心身障害者医療費助成
  • 公共施設の入場料等の割引
  • 福祉手当
  • 通所交通費の助成
  • 軽自動車税の減免
  • 公営住宅の優先入居

申請の方法

申請は市町村の担当窓口で行って下さい。申請に必要なものは次の通りです。

  • 申請書
  • 診断書又は精神障害による障害年金を受給している場合はその証書等の写し
    診断書は精神障害の初診日から6ヶ月以上経ってから精神保健指定医(又は精神障害の診断又は治療に従事する医師)が記載したもの。(てんかん・発達障害・高次脳機能障害等について、精神科以外の科で診療を受けている場合はそれぞれの専門の医師が記載したもの。)
  • 本人の写真

申請は家族や医療機関関係者等が代理で行うこともできます。

申請すると各都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センターにおいて審査が行われ、認められると手帳が交付されます。(なお、精神障害(知的障害は除きます)を支給事由とした年金証書等の写しが添付されていれば必ず手帳が交付されます。)

手帳の有効期間

2年ごとに診断書または年金証書等の写しを添えて更新の手続きを行い、障害等級に定める精神障害の状態にあることについて、都道府県知事の認定を受けなければなりません。

注意事項

  • 精神障害者保健福祉手帳をもつことで不利益が生ずることはありません。
  • 障害が軽減すれば手帳を返すことや更新を行わないこともできます。
  • 手帳をもつことで各種の割引やサービスを受けることができますので、ぜひためらうことなく申請をしていただきたいと考えています。

障害年金について

病気やケガなどが原因で一定程度の障害が継続する場合、生活を保障するための制度として障害年金があります。

障害を残すような何らかの病気や傷害(ケガ)の結果、初診から一年半以上経過して障害が残存し固定したと判断された場合に国から支給される年金です。所定の障害年金診断書を提出し個別の審査を経て支給額が決定されます。

障害基礎年金・障害厚生年金・障害共済年金があり・その傷病で初めて医療機関にかかった「初診日」の加入制度によって種類が変わります。

内容

病気やケガによって医療機関に初めて受診した際、加入していた年金によって受給できる障害年金が異なります。

等級は1級がいちばん重度で、3級がいちばん軽度となります。障害の状態が重いほど受給できる年金額も多くなります。

国民年金の方(自営業・学生・主婦などの場合)

障害基礎年金1級または2級で支給されるが、3級では支給されません。

平成25年度年金額(定額)
1級 983,100円
2級 786,500円

厚生(共済)年金の方(会社等でお勤めをされていた場合)

障害厚生(共済)年金1級~3級障害手当金

  • 厚生年金に加入している間に初診日のある病気やケガで障害基礎年金の1級または2級に該当する障害の状態になったときは障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。
  • 障害の状態が2級に該当しない軽い程度の障害のときは3級の障害厚生年金が支給されます。
  • 初診日から5年以内に病気やケガが治り、障害厚生年金を受けるよりも軽い障害が残ったときには障害手当金(一時金)が支給されます。

申請に必要なもの

障害年金の申請には障害の状態を証明する医師の診断書が必要となります。また、受給するための条件があり、必要となる書類もその方の状況によって異なります。

障害の程度としては身体障害者手帳1級・2級及び内部障害3級・療育手帳A・特別児童扶養手当1級受給資格者などが対象となっている場合が多いようですが、市町村によっては「精神障害者保健福祉手帳1級」所持者なども対象となっている場合があります。

申請窓口

障害基礎年金の場合 お住まいの市町村の年金課
障害厚生年金・障害共済年金の場合 年金事務所または加入されている各共済組合

注意事項

  • 障害年金の申請はとても複雑で障害の状態が障害年金に該当する場合であっても、受給要件を満たしていない場合は(たとえば、病気やケガのため最初に病院に受診した時、年金の保険料を納めていなかった場合など)対象とならない場合もあります。
  • 障害年金に該当する状態であったにもかかわらず、制度のことを知らずに障害年金を受給していなかった場合などは5年間に限って、さかのぼって申請できる場合があります(遡及請求)。いずれの場合も主治医やスタッフなどにご相談下さい。
  • 一般的な年金の相談窓口として年金事務所・年金相談センターがあります。

生活保護について

病気やケガなどで働けなくなったり、高齢・障害・離婚や失業など様々な事情で経済的に困ったときに最低限度の生活を保障し、自立を手助けするための制度です。

生活保護の受給中は国民健康保険証・後期高齢者医療被保険者証・障害者医療証・ひとり親家庭医療証・乳児医療証などは使えなくなりますが、保険の範囲の治療については生活保護法の指定医療機関で無料で受診することができます。

当院は生活保護法の指定医療機関です。

指定医療機関以外で治療を受けた場合は医療費の実費を全額自己負担になる場合があります。

申請窓口

お住まいの地域を管轄する福祉事務所(町田市の場合、町田市役所の生活援護課が窓口になります)

生活保護を受けるための条件

生活に困ったときは、まず生活援護課の相談担当に相談にいきましょう。
生活保護は同居している家族単位で考えられるため、家族全員の所得や資産を合算したものが国が定めている生活保護の基準を下回っていることが条件となります。

受給の前提として下記を優先して活用することが定められています。

  • 現在所持している資産や預貯金を活用すること(資産の活用)
  • 働ける状態にあれば働くこと(能力の活用)
  • 障害年金などほかの制度で利用できるものがある場合はその活用をすること
  • 親族等から援助を受けることができる場合は援助を受けること(扶養義務者の扶養)

上記を活用したうえで国が定める基準額を下回る場合、生活保護の対象となります。

地区担当員に傷病届を提出すると生活福祉課の窓口で「医療券」が交付されますので、それをお持ちになってご来院下さい。

福祉制度について

精神障害がある患者様やその家族がそれぞれの条件によって利用できる福祉制度には多くのものがあります。しかし、市町村によって違いがあったり、年金や手当などは複雑な仕組みになっていますので、ここでは主なものの名称と対象などをあげるだけにとどめます。

主な福祉制度

  • 精神障害者保健福祉手帳
  • 障害者自立支援法による自立支援医療制度(平成18年4月1日から)
  • 各種手当(特別児童扶養手当・障害児福祉手当・特別障害者手当)
  • 生活保護
  • 心身障害者扶養共済制度
  • 障害年金
  • その他(生活福祉資金貸付制度・福祉年金など)

利用の際にはそれぞれの該当窓口などで相談して利用するようにして下さい。

制度一覧

名称 申込窓口 対象者 主なサービス
精神障害者保健福祉手帳 市区町村 病名・年齢の別なく精神科の病気があり生活に一定の障害がある人 公共施設利用料減免・所得税・住民税などの控除・相続税の控除など
障害者自立支援法による自立支援医療制度 市区町村 精神疾患により外来通院する人 原則として通院医療費の自己負担が10%
特別児童扶養手当 市区町村 20歳未満の精神障害をもつ児童の父母または養育者 重度・中度別に支給される(所得制限あり)
障害児福祉手当 市区町村 特別児童扶養手当受給者のうち常時介護を必要とする児童 手当の支給(所得制限あり)
特別障害者手当 市区町村 20歳以上の障害者のうち特別な介護を必要とする人 手当の支給(所得制限あり)
生活保護 市区町村 生活に困窮する人 生活扶助・医療扶助など
心身障害者扶養共済制度 市区町村 将来自立生活が困難な心身障害者を扶養する65歳未満の者が保護者、加入者となる 掛け金を納めていた加入者が死亡したとき、または重度の障害者になったとき、障害者本人に支払われる。終身支給
障害年金 市区町村・社会保険事務所共済組合 年金に加入し、一定の要件を満たした障害者 障害の程度により年金が受けられる

※都道府県によってサービス内容が異なる場合があります。

成年後見制度について

「成年後見制度」は介護保険と共に高齢化社会を支える車の両輪として2000年4月に導入されました。

認知症や精神障害・知的障害で判断能力が低下した人に代わり、法定代理人である成年後見人らが本人の財産管理や施設への入所契約などをして生活を支援する制度。利用するには家族らが家庭裁判所へ申し立て、家裁が可否を決めます。

成年後見制度には本人の判断能力に応じて、判断能力が「ほぼない」という最も重い「後見」から「保佐」・比較的軽い「補助」の3種類があります。

制度の種類

制度を利用する場合、親族らが家庭裁判所に申し立てますが、その際提出する医師の診断書や実際の本人の状態により家裁が利用の可否と種類を判断します。

利用申し立ての動機として「預貯金の管理・解約」と「施設入所などのための介護保険契約」が全体の6割を占め、「身上監護」「不動産の処分」「相続手続き」「保険金の受け取り」などが続きます。銀行は本人の判断能力が低下し預金管理ができない場合、成年後見制度の利用を求めます。

申立てに必要な準備

家裁への申し立てる際は本人の財産を調べ、書類を整理する必要があります。

申立ての時に提出する診断書は成年後見用の専用の用紙を利用した方が、手続きをスムースに進めることができます。成年後見用の診断書の作成依頼は当院の担当医が随時承ります。

なお、後見と保佐の類型に該当するときは原則として申立の後に鑑定をすることになります。鑑定とは本人に判断能力がどの程度あるのかを医学的に判定することをいいます。

家庭裁判所では多くの場合、本人の病状や実情をよく把握している主治医にお願いしていますので、申立ての前にあらかじめ当院の受付か担当医に鑑定依頼を申しつけて下さい。

申立てに必要な費用

申立てに必要な費用(東京都内の場合)は

  • 収入印紙代
  • 登記印紙代
  • 郵便切手代として10,000円程度必要となります。

このほかに鑑定が必要な場合は鑑定医に支払う鑑定料として家庭裁判所に10万円を預けることになります。

注意事項

  • 制度の利用が始まると、死亡などの理由がない限り原則やめられません。本人の預貯金の換金が済んだからといって利用を中止することはできません。
  • 利用中は本人の財産の不正流用がないかをチェックするために家裁に定期的に報告が必要になります。

後見制度支援信託

「後見制度支援信託」は2012年2月に導入され、当面使わないと見込まれる本人の預貯金を家裁が指示して信託銀行に預ける制度です。介護施設への入所などまとまった金額が必要な場合、親族後見人がその都度家裁に引き出しの許可を求める必要があります。