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- 発達・行動のご相談
発達の特性や行動面の困りごとは年齢や環境によってさまざまな形で現れます。
「落ち着きがない」「対人関係がうまくいかない」「生活習慣が乱れてしまう」などの状態は
ご本人の努力不足ではなく、背景に発達特性や心理的要因が関係している場合もあります。
このようなご相談があります
- 集中が続かない・忘れ物が多い
- 対人関係がうまくいかない
- 感情のコントロールが難しい
- 学校や職場への適応が難しい
- 食行動の乱れがある
- 飲酒がやめられない
- 原因がはっきりしない身体症状で複数の医療機関を受診している
当院の治療方針
発達特性や行動面の問題は単一の原因だけで生じるものではなく、生まれ持った特性に加えて、環境や対人関係・生活状況・ストレスなどさまざまな要因が影響し合って現れることが多くあります。
当院では、現在困っていることや生活背景を伺いながら、生物学的・心理的・社会的な側面を踏まえて支援内容を検討しています。現在困っていることや生活背景を丁寧に伺いながら無理のない対応方法を一緒に考えていきます。
また、診断名をつけること自体を目的とするのではなく
- どのような場面で困りやすいのか
- どのような支援があると生活しやすくなるのか
- ご本人の得意なことや取り組みやすい方法をどのように日常生活に活かせるか
といった視点を重視しその方の状況に応じた支援を検討します。
必要に応じて環境調整の助言や心理的サポート・医療的対応などを組み合わせながら、日常生活の安定につながる支援を行います。
対象となる状態・疾患
発達障害
発達障害とは子どもの精神機能が発達する過程で生じる特性の総称で、注意や行動のコントロール・対人関係・感覚の感じ方などに特徴がみられることがあります。
様々な発達障害のタイプ
ADHD(注意欠如多動性障害)
「不注意」「衝動性」「多動性」といった特徴がみられます。あらわれ方には個人差があり、年齢とともに変化することもあります。
【具体的にみられる様子】
- 集中が続きにくい
- 忘れ物や紛失が多い
- 思いついたことをすぐ行動に移す
- 落ち着きがなく体を動かしてしまう
- 会話中に相手の話をさえぎってしまう
自閉スペクトラム症(ASD)
対人関係やコミュニケーション・興味や行動のパターンに特徴がみられる状態です。いわゆるアスペルガー症候群もこの中に含まれます。
【具体的にみられる様子】
- 相手の気持ちを読み取ることが難しい
- 冗談や比喩の理解が苦手
- 同じ手順や状況へのこだわりが強い
- 変化への対応が苦手
- 音や光などの刺激に敏感または鈍感
学習障害(LD)
読む・書く・計算するなど、特定の学習領域に困難さがみられる状態です。
【具体的にみられる様子】
- 書くことに苦手さがありメモに集中すると内容理解が難しくなる
- 工夫や支援により力を発揮できることもあります
その他
上記の3つのタイプ以外にも例えば「トゥレット症候群」のように、まばたき・顔をしかめる・首を振るといった運動の動きがみられる「運動性チック」や咳払い・鼻すすり・声が出てしまうなどの「音声チック」を主な特徴とする状態がみられることもあります。これらも発達の特性のひとつとして捉えられる場合があります。
チック症
チック症は自分の意思とは関係なく、素早い動きや声が繰り返しあらわれる状態です。小児期にみられることがあり、成長の過程で一時的に出現する場合もあります。症状のあらわれ方や程度には個人差があり、軽いものから日常生活に影響するものまでさまざまです。
主な症状
【運動チック】
- まばたきが増える
- 首を振る・かしげる
- 肩をすくめる
- 顔をしかめる
【身体症状】
- 「あっ」など短い声が出る
- 咳払い
- 鼻すすり
- 叫び声が出ることもある
【トゥレット症候群】
- 運動チックと音声チックの両方がみられ1年以上続く場合には、トゥレット症候群と診断されることがあります。
原因について
原因については脳機能の特性や遺伝的要因などが関係していると考えられています。現在では、中枢神経系の働きが関係していると考えられています。かつては心理的な問題が原因と誤解されることもありましたが、保護者の関わり方が直接の原因になるものではありません。
治療方法
多くの場合、日常生活に大きな支障がなければ経過をみていくことが一般的です。本人や周囲が強く意識しすぎるとかえって症状が目立つことがあるため過度に注意しすぎない対応が勧められることもあります。
【治療を検討する場合】
- 恥ずかしさから外出が難しくなっている
- 学校生活に大きな影響が出ている
- 症状が強く・本人が強い苦痛を感じている
このような場合には薬物療法が検討されることがあります。必要に応じて少量の抗精神病薬(リスペリドン・ハロペリドールなど)が用いられることがあります。
受診の目安
- 症状が長期間続いている
- 学校生活や対人関係に影響している
- ご家族が対応に不安を感じている
気になる場合は精神科・心療内科などの医療機関へ相談することをご検討ください。
摂食障害
摂食障害は体重や体型への強いこだわりや痩せたい気持ち、太ることへの強い不安などを背景に食事行動に大きな偏りが生じる状態です。「食事を極端に制限する」「過食を繰り返す」「食べた後に嘔吐や下剤を使用する」などの行動がみられることがあります。その結果、体重の変動だけでなく身体面・精神面のさまざまな不調を伴うことがあります。
主なタイプ
【神経性やせ症(拒食症)】
- 食事量を極端に制限する
- 著しい体重減少(目安としてBMI18.5未満)
- 「まだ太っている」と感じるなどの身体像のゆがみ
- 低体重が続くことで、月経異常や低血圧・骨密度低下などの身体合併症を伴うことがあります。
【神経性過食症(過食症)】
- 短時間に大量に食べてしまう(過食)
- 嘔吐・下剤・利尿剤の使用などの排出行動
- 体重は正常範囲内またはやや増加していることもある
- 自己嫌悪や抑うつ感を伴うことがあります。
【その他のタイプ】
- 典型的な診断基準をすべて満たさない非定型の摂食障害がみられることもあります。症状のあらわれ方は多様であり、個別の評価が大切です。
治療の目標
治療では次のような点を大切にします。
- 食事パターンの安定
- 体重の適正化・安定化
- 身体合併症の改善
- 極端な思考や自己評価の修正
- 再発予防
可能な限り日常生活を保ちながら外来で治療を行うことを基本とします。ただし低体重が著しい場合や身体状態が不安定な場合には、より慎重な医療管理が必要になることもあります。
解離(転換)性障害
解離(転換)性障害は強いストレスや心理的負担を背景に、意識・記憶・自己の感覚・からだの動きや感覚などのまとまり(統合)が一時的にうまく働かなくなることでさまざまな精神症状や身体症状があらわれる状態です。かつては「ヒステリー」と呼ばれていたこともあります。外傷的な出来事・解決困難な問題・対人関係のストレスなどがきっかけとなることがありますが、ご本人がその関連を自覚していない場合もあります。幼少期の強いストレス体験や虐待などが影響している場合もあります。
主な症状
症状は多岐にわたり突然あらわれることがあります。
【記憶や意識の変化】
- 大切な出来事を思い出せない(解離性健忘)
- 自分がどこから来たのかわからなくなる(解離性遁走)
- 反応が乏しくなる・動けなくなる(解離性昏迷)
- 別の人格があらわれるように感じられる状態(解離性同一性障害)
【身体症状(神経症状様)】
- けいれん発作(解離性けいれん)
- 歩けなくなる・声が出なくなる(解離性運動麻痺)
- 見えにくい・聞こえにくい・感覚が鈍くなる(解離性知覚麻痺)
- ※これらの症状は医学的な検査所見と一致しない特徴を示すことがあります。
診断について
診断では以下の点を慎重に評価します。
- 症状と身体所見の不一致
- 症状の変動性や状況による変化
- 背景にある心理的要因の可能性
- 生活上の不適応の程度
特に重要なのは身体疾患との鑑別です。多発性硬化症やてんかん・神経変性疾患など、症状が変動する神経疾患との区別を丁寧に行う必要があります。また、統合失調症や気分障害などの精神疾患の前駆症状や随伴症状の可能性についても検討します。さらに、作為症(虚偽性障害)との鑑別が必要となる場合もあります。
治療方法
治療は主に精神療法と薬物療法を組み合わせて行います。症状が強く、意思疎通や日常生活が著しく困難な場合には入院治療が検討されることもあります。
【精神療法】
治療初期
- 安心できる治療関係を築く
- 症状による困りごとの軽減を優先する
- 日常生活を安定させる工夫を一緒に考える
症状と心理的要因との関連を無理に追及するのではなく、まずは生活の安定を目標とします。
治療中期以降
- 症状と心理的背景との関連について少しずつ理解を深める
- 必要に応じて外傷体験への慎重な対応を行う
軽度で環境調整が可能な場合は状態の変化がみられることもありますが、外傷体験が深い場合には長期的な支援が必要となることがあります。
特殊な治療法
- 状況により催眠療法やアミタール面接が検討されることもあります。
【薬物療法】
症状そのものを直接消失させる薬は限られますが、次のような症状に対して薬物を用いることがあります。
- 強い不安 → 抗不安薬
- 抑うつ症状 → SSRIなどの抗うつ薬
- フラッシュバックや興奮 → 抗精神病薬
※薬物療法は症状や状態に応じて慎重に判断いたします。
ドクターショッピング
ドクターショッピングとは診断や治療内容に納得できない、あるいは症状の原因がはっきりしないことへの不安から複数の医療機関を繰り返し受診する状態を指します。「異常はありません」と言われても実際に症状が続いているために不安が消えず他の医療機関であれば原因が見つかるのではないかと受診を重ねてしまうことがあります。強い不安やつらさを抱えた結果としてみられることがある行動の一つと考えられます。
よくみられる症状
- 体がだるい・疲れやすい
- やる気が出ない
- 頭が重い・頭痛が続く
- 肩こりや腰痛
- 動悸・息苦しさ
- めまい
- 胃の不快感
- 内科・耳鼻科・脳神経外科・整形外科などで検査を受けても「大きな異常はない」と言われることがあります。
なぜ繰り返し受診してしまうのか
ドクターショッピングの背景には「重大な病気が見落とされているのではないか」という不安や深刻な疾患への恐れが関係していることがあります。また、これまでの診療で十分に理解してもらえなかったという体験から医療への不信感が生まれる場合もあります。さらに、症状のつらさを周囲に理解してもらえない孤立感が不安を強めることもあります。こうした心理的な負担が続くと不安やストレスそのものが身体症状をさらに強めるという悪循環が生じることもあります。
続けることで起こりうる影響
複数の医療機関を受診し続けることで医療費や検査費用などの経済的負担が増えるだけでなく、通院にかかる時間や労力も大きくなります。また、「どこに行ってもはっきりしない」という体験が重なることで医療に対する不満や不信感が積み重なっていくこともあります。その結果、日常生活や仕事に支障が出ることもあります。たとえ受診を繰り返す状況が落ち着いたとしても不安や不信感が心の中に残り、慢性的なストレスとなる場合があります。
治療・対応について
ドクターショッピングそのものを「やめさせる」ことが目的ではありません。 大切なのは症状の背景にある不安やストレスを含めて総合的に評価することです。当院では以下の「全人的医療」の視点を大切にしています。
- 身体症状の経過を丁寧に確認する
- 必要に応じて身体疾患の可能性を再評価する
- 不安やストレスとの関連を整理する
- 生活面を含めた支援を行う
といった「全人的医療」の視点を大切にしています。「疾患」だけでなく「その人全体」を生物学的・心理的・社会的側面から総合的に診ることが重要と考えています。
町田メンタル内科クリニックでは症状があるかどうかという点だけに注目するのではなく、その症状がどのようなきっかけで始まったのか、どのような不安を抱えているのか、そして日常生活にどのような影響が出ているのかを丁寧におうかがいしています。そうした背景を含めて状況を整理し、継続的な診療につなげられるよう努めています。