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- 睡眠に関する悩み
睡眠の悩みをこころとからだの両面から考えます。
眠れない・途中で目が覚めてしまう・朝早く目が覚める・日中の眠気が強いなど、睡眠に関するお悩みはさまざまです。睡眠の問題はこころの不調だけでなくからだの病気や生活リズム・服用中のお薬などが影響している場合もあります。当院では背景を丁寧にうかがいながら生活習慣の見直しや環境調整、必要に応じた薬物療法などを組み合わせて対応しています。
このようなご相談があります
- 眠れない
- 夜中に何度も目が覚める
- 朝早く目が覚めてしまう
- 日中の強い眠気
- 寝ている間に大きな声や動きがあると言われた
当院の治療方針
睡眠の問題は「眠れない」という症状そのものだけでなく、こころの状態・からだの病気・加齢による変化・生活リズム・服用中のお薬などさまざまな要因が関係しています。当院では、まず現在の睡眠状況を丁寧にうかがい背景にどのような要因があるのかを整理することを大切にしています。治療は一つの方法に限らず次のような視点を組み合わせながら行います。
生活リズム・睡眠環境の調整
睡眠時間だけでなく起床時刻や日中の活動量・光の浴び方・就寝前の過ごし方などを確認します。必要に応じて睡眠衛生指導を行い、無理のない範囲で生活リズムを整える方法についてご説明します。
こころとからだの状態の評価
不安や抑うつ症状・ストレスの影響が強い場合や認知症・パーキンソン病などの神経疾患・内科的疾患が関与している可能性がある場合には、全体像を踏まえて評価します。必要に応じて他科と連携しながら対応します。
薬物療法について
症状の程度や生活への影響を考慮し、薬物療法を行う場合があります。高齢期では薬の影響を受けやすいため転倒や認知機能への影響などにも配慮しながら用量や種類を検討します。
対象となる状態・疾患
睡眠障害(不眠症)
睡眠障害とは、実際の睡眠時間の長さにかかわらず「十分に眠れた感じがしない」「眠れないことで日中の生活に支障が出ている」といった状態をいいます。睡眠の必要時間には個人差があり短時間でもすっきりと目覚める方もいれば比較的長い睡眠を必要とする方もいます。そのため、単純に睡眠時間だけで良し悪しを判断することはできません。また、加齢に伴い眠りが浅くなったり早朝に目が覚めやすくなったりすることは珍しくありません。不眠の症状は決して珍しいものではありません。
原因として考えられること
【ストレスや環境変化による不眠】
精神的な緊張や生活環境の変化などをきっかけに一時的に眠れなくなることがあります。
- 仕事や人間関係の強いストレス
- 入院や手術などの出来事
- 海外旅行などによる時差
などが影響する場合があります。
状況の変化とともに症状がやわらぐこともありますが、長引く場合もあります。
【こころの不調に伴う不眠】
うつ病・不安障害・統合失調症などの精神疾患では、不眠が症状の一部としてみられることがあります。
- 気分の落ち込み
- 強い不安や緊張
- 考えごとが止まらない
といった状態が続くことで寝つきの悪さや早朝覚醒がみられることがあります。
【薬剤やアルコールの影響】
一部の薬剤やアルコールの影響で睡眠が浅くなることがあります。アルコールは一時的に眠気を感じやすくなりますが夜間に目が覚めやすくなることもあり、結果として睡眠の質が低下することがあります。飲酒量が増えることで不眠が慢性化する場合もあるため注意が必要です。
【身体疾患による不眠】
からだの病気が原因で眠れなくなることもあります。
- 不整脈や呼吸困難
- 咳や喘息症状
- 発熱やかゆみ
- 慢性的な痛み
などが夜間に強くなることで睡眠が妨げられることがあります。この場合は内科的な評価や治療が重要になります。
睡眠障害の症状経過
睡眠障害(不眠症)の治療
睡眠障害(不眠症)の治療では、まず不眠の背景にある要因を整理します。身体疾患や精神疾患が関与している場合にはそれらの診断と治療を優先することが重要になります。そのうえで、不眠そのものに対して次のような治療を検討します。
【心理的アプローチ】
不眠が長く続く方の中には「どうしても眠らなければならない」「まったく眠れなかった」といった考えが強くなり眠ることへの緊張が高まっている場合があります。このような状態ではかえって入眠が妨げられることがあります。治療では、睡眠に対する過度なとらわれをやわらげることや現実的に対処できるストレスへの向き合い方を整理することを大切にします。
必要に応じて
- リラクセーション法
- 自律訓練法
- 相談やカウンセリング
などを取り入れることがあります。
【薬物療法(不眠症のタイプに応じた対応)】
薬物療法を行う場合には、不眠のタイプや持続時間・日中への影響などを踏まえて検討します。不眠症には主に次のような症状があります。
| 症状のタイプ | 主な特徴 | 薬剤選択の考え方 |
|---|---|---|
| 入眠困難 | 寝つきが悪い | 作用時間が比較的短い薬剤を検討 |
| 中途覚醒・熟眠感の低下 | 夜中に目が覚める・眠りが浅い | 作用時間を考慮し検討 |
| 早朝覚醒 | 朝早く目が覚める | 作用持続時間を踏まえて検討 |
| 不安が強い不眠 | 緊張や不安が強い | 状況に応じて抗不安作用をもつ薬剤を検討 |
※薬剤名の具体列挙は、医療広告上やや慎重に扱う方が安全とされています。掲載する場合は院内採用品に限定するなど整理が必要です。
生活上の注意点
不眠は心理的・社会的ストレスへの反応として現れることがあります。
必要に応じて
- 過度な責任や緊張状態
- 就寝前の過度な飲酒
- 喫煙やカフェインの摂取
- 不規則な生活リズム
などが影響している場合もあります。そのため「日中の活動リズムを整える」「就寝前の刺激を減らす」「ストレスへの対処法を身につける」といった取り組みが治療の一部となります。
睡眠障害と生活習慣病の関連
睡眠の問題は、こころや日中の生活に関係することがあり、生活習慣病との関連も指摘されています。これまで生活習慣病のある方に睡眠時無呼吸症候群や不眠症が多いことが知られてきました。近年では、睡眠障害そのものが生活習慣病の発症や経過に関係している可能性についても研究が進められています。
睡眠時無呼吸症候群との関連
睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸が繰り返し止まることで体内の酸素が不足しやすくなります。
- 交感神経の緊張
- 炎症や酸化ストレスの増加
- 代謝の乱れ
などが生じやすくなると考えられています。これらの変化が続くことで、高血圧や心疾患、脳血管疾患などのリスクが高まる可能性があるとされています。
慢性不眠症との関連
慢性的な不眠が続くと
- 交感神経の緊張状態
- ストレスホルモンの分泌増加
- 睡眠時間の短縮
- 日中活動量の低下
などがみられることがあります。これらは糖尿病や高血圧などの生活習慣病と関連する要因とも重なっています。不眠症状がある方では、生活習慣病の発症リスクがやや高い傾向があることが報告されています。
睡眠も生活習慣のひとつです
生活習慣病の予防では
- 食生活の見直し
- 適度な運動
- 禁煙・節酒
といった取り組みが重要とされていますが十分な睡眠を確保することも大切な要素のひとつと考えられています。不規則な生活や過度の飲酒、運動不足などは睡眠の質にも影響します。一方で、睡眠の状態を整えることが生活習慣の改善につながる場合もあります。
睡眠の問題を放置しないために
睡眠時間は忙しい日常の中で後回しになりやすいものです。しかし、睡眠不足や睡眠障害が長期間続くと、心身の健康に影響することがあります。眠りに関する不安や不調が続く場合は早めに医療機関に相談することも選択肢のひとつです。
レム睡眠時行動障害
大声でうなされる・夢に合わせて体を動かすといった症状がみられる場合、レム睡眠時行動障害の可能性があります。比較的高齢の方にみられることがある睡眠障害です。通常レム睡眠中は脳が活動していても体の筋肉は弛緩し夢の内容に合わせて体が動くことはありません。しかし、何らかの理由で筋肉の抑制がうまく働かないと夢に伴う動作や発声が実際の行動として現れることがあります。
主な症状
- 大声での寝言や叫び声
- うなされる様子がみられる
- 夢の内容に合わせて手足を動かす
- 寝具をたたく・蹴るなどの動作
- ベッドから落ちることがある
- ※夢の内容として、追いかけられる、攻撃されるなど、緊張感のあるものがみられることがあります。なお、寝言の内容がその人の本来の性格を反映しているわけではありません。また、飲酒は症状を強める要因となることがあります。
当院の治療方法
症状の頻度や強さ・日常生活への影響を確認したうえで治療方針を検討します。薬物療法としては、ランドセン(クロナゼパム)や抑肝散の投与を検討することがあり、症状の軽減がみられる場合があります。薬剤の使用については、年齢や併存疾患・転倒リスクなどを考慮しながら慎重に判断します。
- 寝床の周囲にけがにつながる物を置かない
- ベッドからの転落予防を行う
- 無理に強く起こさず落ち着くのを待つ
などの環境調整をご提案することがあります。症状が繰り返される場合やご家族が不安を感じている場合には、医療機関への相談をご検討ください。