それぞれの時期で目立つ症状が異なります。急性期には、「陽性症状」と「不安・抑うつ」が強く現れます。また、休息期と回復期には、「陰性症状」や「認知機能障害」が目立ちます。
それぞれの時期で目立つ症状が異なります。急性期には、「陽性症状」と「不安・抑うつ」が強く現れます。また、休息期と回復期には、「陰性症状」や「認知機能障害」が目立ちます。
症状が不安定な「急性期」に現れることが多く、幻覚(幻聴、幻視など)や妄想、緊張状態などがみられ、話にまとまりがなく、独り言が多くなります。抗精神病薬や気分安定薬などで治療することができます。
不安感がひどく現れる場合があります。抗不安薬や抗うつ薬によって治療することができます。
2週間もずっと落ち込んでいたり、常に絶望感や悲観的思考に見舞われている状態になることを抑うつといいます。このような症状は、統合失調症の症状が改善し始めるころに現れることがありますが、抗うつ薬によって治療することができます。
症状が安定している「慢性期」に現れることが多く、感情が表に出せなくなり、引き込もり状態になったり、自発性が低下し、何もやる気がしなくなります。
記憶力・計算力・注意力・言 語力などの機能が低下し、社会で生活する上での障害(仕事や勉強、家事などの能率が落ちる)となります。現在治療の中心はこの認知機能障害とされ社会復帰のために重要となります。
統合失調症は、脳のはたらきが不調となり、自分の感覚をきちんと感じたり、自分の考えを頭の中でまとめたりすることが難しくなる病気です。およそ100人に1人がかかると言われており、決して特別な病気ではありません。
しかしながら、なかなか病気だということが分からなかったり、患者さん自身が病気の自覚がなかったり、「病院にかかりたくない」と抵抗して治療を受けないまま放置しているケースが多くみられます。
統合失調症は、きちんと治療を受け、適切なサポートを受けることで、良好な状態へと回復し、社会生活に復帰できる可能性が高まります。早期に専門的な治療を受けることが必要です。
統合失調症は、きちんとした治療を受けることでゆっくり回復していく病気です。ただし、一直線に良くなるわけではなく、良くなったり悪くなったりの一進一退があります。
「良くなった」「悪くなった」と一喜一憂せず、焦らずじっくり治療に取り組みましょう。また周囲も、患者さんのペースにあわせ、回復を急がせないよう、ゆっくり病気とつきあえるようにお手伝いをしていきましょう。
統合失調症が発症する根本的な原因は、まだ不明な点が多いですが、最近の研究で、いろいろな要因が重なって発症することが分かってきました。特に、何らかのストレスがきっかけで、脳の働きが不安定になり、こころや活動のもとである脳内の神経伝達物質(ドーパミン等)が過剰分泌されて発症するという説が有力です。
統合失調症の回復と再発予防のためには、本人に休養をすすめ、脳の働きを回復させる治療を受けると共に、ストレスを減らしたりして、うまくつきあう方法を学ぶことが重要です。
病気によって生まれる症状。幻聴や妄想など、周囲に気づかれやすい
病気によって失われる症状。感情鈍麻や無為自閉など気づかれにくい。
不安感がひどく現れる場合があります。抗不安薬や抗うつ薬によって治療することができます。
2週間もずっと落ち込んでいたり、常に絶望感や悲観的思考に見舞われている状態になることを抑うつといいます。このような症状は、統合失調症の症状が改善し始めるころに現れることがありますが、抗うつ薬によって治療することができます。
記憶力・計算力・注意力・言 語力などの機能が低下し、社会で生活する上での障害(仕事や勉強、家事などの能率が落ちる)となります。現在治療の中心はこの認知機能障害とされ社会復帰のために重要となります。
「からだ」の面、「こころ」の面、「環境」の面に、それぞれ働きかけながら、症状の改善と再発予防をはかっていきます。さまざまな治療法を組み合わせることにより、治療効果が高まります。
統合失調症は、疲れた脳を休ませていくために「休養」をとることが大切です。その上で、適切な薬物療法によって、脳内のバランスを整えていきます。
また、ご本人の自然治癒力を最大限引き出すことを目的とし、充分な休養(睡眠)・規則正しい生活・栄養のある食事・適切な心身への刺激が保たれるよう心がけることが必要です。
統合失調症の方の脳内では、神経伝達物質(ドーパミン等)の働きが向上しているため、お薬の力をかりて、神経伝達物質の量を減らしたり、バランスを整えたりしていくことが必要になってきます。
一昔前の薬は、症状を抑えても、副作用が強いというデメリットがありました。しかし、新しい薬は、副作用が少ないだけでなく、傷ついた脳の神経細胞の再生効果があるというメリットがあり、お薬を飲み続けることによって効果が期待されます。
こころの病気の治療では、不安や悩みを、ひとりで抱えこまないことが大切です。そのため、主治医との対話が治療の中で重視されています。
また、病気の治し方、再発予防、服薬や生活習慣の自己管理方法などを助言・指導します。
統合失調症は心身の治療だけでなく患者さんの生活環境や社会環境を整え、ストレスを減らす方法を提案し、ストレスの対処法を助言・指導します。
当院では、患者さんご本人の生活力を取り戻すリハビリ指導を行うと共に、生活サポートの一環として、経済・生活支援制度や復職支援のための助言・指導や必要書類の作成などを行います。
精神科でのリハビリテーションを「作業療法(OT:Occupational Therapy)」といいます。必要な方は、他施設をご紹介します。
様々な生活の悩みについてご相談にのります。