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認知症

 
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認知症とはどんな病気か?

認知症は、脳の構造そのものに変化が生じておこる病気(脳器質性疾患)です。いったん正常に発達した知能が、低下をきたす点が特徴です。脳の構想にそのものに何らかの変化が生じて起こる病気です。高齢になるほど認知症になる比率は上昇するといわれています。85歳以上になると5人に1人となり、75歳以降に急激に認知症の有病率が増加します。

一般的には「物忘れ」ではじまります。

次のようなことでも、気付かれることがあります。

  • 日常生活以外の場面(旅行、会合など)で、適切な行動がとれない
  • 興味・関心の低下(無趣味になる、新聞やテレビを見なくなる)
  • 生活行動範囲が狭まる(今までの習慣や日課をしない、掃除・洗濯や更衣をしない)

どのような症状があらわれるか?

ついさっきした行動を覚えていない、時間や場所がわからなくなる(見当識障害)、簡単な計算ができなくなるといった認知機能の低下は認知症の「中核症状」であり、ほとんどの人に初期からみられます。

そして、中核症状によって生活が不自由になったり、不安感が募ったりするために、「周辺症状」が現れるようになります。初期の段階では、「自分は病気かもしれない」という

意識が現れたり、逆に焦りから失敗や間違いを指摘されたりすると血相を変えて怒ることもあります。

たとえば、物をしまい忘れ、自分自身がどこに片付けたかを思い出せないにもかかわらず、この状況を認めたくないために、家族や知人の誰かに盗られたという妄想「物盗られ妄想」を抱くこともあります。認知症にみられる妄想は、記憶障害や思考能力の障害から二次的に生じた解釈できる場合があります。


アルツハイマー型認知症の原因

認知症の半数を占めるアルツハイマー型認知症の原因として、脳内にアミロイドベータやタウという異常タンパク質が神経細胞に蓄積して正常な神経細胞が壊れ、脳萎縮が起こり、神経の情報伝達を阻害するということが分かってきています。

アルツハイマー型認知症の発症にはこれまで加齢や遺伝が関係するということは明らかになっていましたが、それに加えて近年、糖尿病や高血圧などの方はそうでない方よりもアルツハイマー型認知症になりやすいことが科学的に証明されました。そのため、予防には生活習慣の改善が重要であるとされています。


「認知症」のさまざまな症状

中核症状

  • 知的な働きの障害(記銘力・記憶力、見当識、計算力、思考・判断力の低下)
  • 人格変化(性格の尖鋭化、高等感情や道徳観念の鈍化、幼児化、依存性、頑固で自己中心性など)

周辺症状

  • 感情障害(不安で疑い深くなる、ささいなことで興奮しやすくなる、うつ状態になる)
  • 意欲、自発性の低下(周囲に無関心となったり、無口になる)
  • 幻覚妄想、夜間せん妄(幻視、被害妄想などを生じ、多くは興奮を伴う)
  • 行動障害(徘徊、暴言暴力、自傷、不潔行為、性的脱抑制、過食、浪費、収集癖など)

図2


認知症とまちがわれやすい病気

うつ病性仮性認知症

抑うつ感情を伴い、能力の低下を自覚し嘆く傾向があります。
質問に答えられない時は、まちがえた回答はせず「わからない」と答えます。
抗うつ剤などで改善することが多いのも特徴です。
症状は、認知症に比べ急に現われ、短期的であり、変動がみられます。

せん妄状態

意識障害のひとつで、周囲の状況を明確に認知できない状態となります。
時間・場所・人物の誤認や、幻覚、不安、不機嫌、興奮があり、眠れず落ち着きがなくなります。
いろいろな身体疾患や、脱水、血圧低下、薬の影響、入院などの環境変化で一時的に起きます。

手術で治ることもある疾患

抑うつ感情を伴い、能力の低下を自覚し嘆く傾向があります。
慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症は、頭部CT検査で診断できます。
ともに、比較的簡単な手術で症状が改善することが多く、早期診断が重要です。


認知症は「老化現象」が進んだものではなく「病気」です。

「最近なかなか人やものの名前が覚えられなくて…」「うっかりすることが多くなった」など、歳をとると物忘れは誰にでも生じます。
しかし、認知症とは、老化による単なる物忘れではなく、記憶力や判断力といった知的なはたらきが著しく低下し、その場にふさわしい行動がとれなくなったり、自立した生活が困難になるなどの症状が出てきます。

病気の進行を遅らせる薬も複数でていますし、認知症に似ている症状であっても他の病気である可能性もあるので、「認知症かもしれない」と心配になったら、専門医への早めの受診が大切です。


加齢による物忘れと認知症による物忘れの違い

加齢による物忘れ 認知症による物忘れ
  • 加齢によるもので、病的ではない状態
  • 行為や出来事の一部を忘れる
  • 思い出すのに時間がかかる
  • 物忘れの自覚がある、自ら受診することが多い
  • 忘れたことを「忘れていた」と認められる
  • 時間や場所の見当がつく
  • 日常生活に支障をきたすほどではない
  • 悪化のスピードが緩やか
  • 病的な状態
  • 行為や出来事そのもの(の全体)を忘れる
  • 新しい事が記憶できない
  • 物忘れの自覚がない
  • 作話をしたり、その場をつくろって、つじつまを合わせようとする
  • 時間や場所の見当がつかない
  • 日常生活に支障がある
  • 悪化のスピードが比較的速い

アルツハイマー型認知症の中核症状の進み方

中核症状の進み具合を理解して、次にどのような症状が現れるかを予測しておくことで、周囲の方があらかじめ介護の準備や心構えができ、一方医療や介護を受ける認知症者や介護者や家族の方の安心にもつながります。

進行度 具体的な行動例
前段階
  • 重要な約束を忘れてしまうことがある
  • はじめての土地へ旅行することが困難(よく知る土地への旅行は支障がない)
  • 熟練を要する職業の場合、仕事に支障が出てくる
軽度
  • 買い物で必要な量だけ買うことが出来ない
  • 冷蔵庫の管理が困難になる(賞味期限切れや同じ物が多くなる)
  • 勘定を正しく支払うことできない
  • 家計の管理が困難になる
中等度
  • 天候や季節にあった衣服を自分で選ぶことができない
  • 入浴を忘れることがある
高度
  • ボタンを留める、靴紐を結ぶ、ネクタイを締めるなどの着衣に介助が必要になる
  • 尿や便をもらしてしまうことが、時々ある
最重度
  • 黙まっていることが多くなり、たまに話すときも、言葉少なで、使う単語も限られる
  • 自分一人で歩くことが難しく、手助けが必要になる

当院の認知症治療の方針

認知症は、脳の病気で、脳の機能が低下することによっておこる病気です。そのため、お薬によって認知症の中核症状や周辺症状(行動心理学的症状BPSD)を改善することにより、以下のメリットがあります。

  • 認知症者の生活の質(QOL)を向上⇒介護者や家族とのコミュニケーション機能維持や日常生活動作(ADL)の改善
  • 介護者のQOLを向上⇒介護の負担の軽減や時間の短縮

その結果、施設入所の延期、在宅介護の延期に寄与します。

また、認知症者本人の心をよく理解し、適切な環境調整や介護により不安やストレスをとり除いてあげれば、精神症状や行動の異常が減ったり消失したりすることができます。

さらに、介護保険制度を利用することにより、日常の介護やケアをしている介護者や家族の負担を軽くし、残存能力を引き出すリハビリテーションを行うことができます。介護サービスを利用するにあたって、要介護認定を受ける必要があります。市役所に申請することで、主治医に対して「介護医師意見書」作成依頼があります。その後、認定調査員がその人のもとを訪ね、実際にどのような状態か確認します。以上を総合判定し、最終的な介護度が決まります。

また、患者さんを介護する側(ご家族、施設の職員など)の心の健康の問題についても、対応いたします。


治療の3つの要素

「からだ」の面、「こころ」の面、「環境」の面に、それぞれ働きかけながら、症状の改善と再発予防をはかっていきます。さまざまな治療法を組み合わせることにより、治療効果が高まります。

図1


「からだ」の治療

薬物治療

認知症の中核症状に対する治療薬は以下の2つのタイプがあり、どちらも進行を抑制することが期待できます。

  1. 神経伝達物質(アセチルコリン)の減少を抑え情報伝達をスムーズにするタイプ・・・
    ドネペジル(アリセプト)、ガランタミン(レミニール)、リバスチグミン(リバスタッチ)
  2. 記憶の情報伝達を整えて神経細胞を守るタイプ・・・メマンチン(メマリー)

認知症の症状のうち、内服薬の効果が期待できるのは、

  • アルツハイマー病の中核症状・・・抗認知症薬
  • 幻覚、妄想、興奮、せん妄、抑うつ、不安・緊張など・・・
    抗精神病薬・抗うつ薬・気分調整薬・抗不安薬・睡眠薬・脳循環改善薬など

ただし、鎮静効果と引き換えに、認知機能が低下したり、転倒したりするなどのおそれもあるため、慎重にお薬を投与する必要があります。

規則正しい生活

脳の生体リズムを整えると、症状が安定することも多いものです。
昼夜逆転など生活リズムに乱れがある場合、その部分を改善していきます。

食事

患者さんにとって、食事は最大の楽しみであり、充実した生活を送るためには欠かせないものです。

また、健康を維持するには、バランスのとれた食事をしっかり食べることが大切となります。

最新の調査では、高齢者の栄養失調は、特に肉などタンパク質の不足は深刻で、認知症や寝たきりを引き起こしやすく、寿命を縮める可能性も高いことが分かってきました。


「こころ」の治療

患者さんのこころを理解する

認知症の患者さんは、何がストレスになっているのか、何の不安があるのか、なかなか自分からお話されることはありません。しかし、患者さん本人の心をよく理解し、問題行動を誘発している不安やストレスをとり除いてあげれば、精神症状や行動の異常が減ったり、場合によっては消失したりもします。


「環境」の治療

リハビリテーション

脳への刺激をより強めるには、「体を動かす」「考える」「心の満足」の3つの要素をできるだけ同時に取り入れることが大切です。自宅でオススメのリハビリ方法は、

  • ラジオ体操をする
  • 人とコミュニケーションを取りながら散歩する
  • 好きな音楽を聴きながら動く(座ったままリズムを取るだけでもOK)
  • 折り紙や塗り絵、楽器を弾くなど手先を使う作業をする

体を動かすと夜眠れるようになりますから、生活リズムが整い、夜間の徘徊や抑うつ傾向も改善していきます。

達成感が楽しかった記憶となり、その後もリハビリに前向きに取り組みやすくなります。

介護保険認定を受けて、デイサービス、病院、老人保健施設(老健)などを利用します。リハビリの方法は施設ごとにそれぞれ異なります。


認知症に対するリハビリテーションの目的

  1. 残された健康な機能・能力の維持、向上(その人らしさの発揮、意欲の向上)
  2. 日常生活の充実(楽しみ・生きがいの発見)
  3. 安心して過ごせる場でのリハビリテーション(なじみある仲間との生き生きとした交流)

生活支援

  • 退院した後の住まい、たとえば施設入所に関する相談
  • 訪問看護やデイケア等の在宅サービスに関する相談
  • 外来治療費など、医療費の相談
  • その他、さまざまな福祉サービスについての相談

家族支援

ご家族は、患者さんにとって最大の支援者です。認知症に対する正しい知識、認知症者に対する関わり方をお伝えしております。また、家族や介護者の心配事や悩みの相談もお受けします。

病院や施設との連携

必要に応じて他の病院や施設との連携を行っております。