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町田市森野の心療内科, 精神科, 精神神経科, 神経内科, 内科

睡眠障害

 
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睡眠障害の症状経過

精神的ストレス ・ 心配事 ・ 心理的葛藤 ・ 学校や家庭、仕事上の トラブル

環境・生活習慣 ・ 環境や生活リズムの急激な変化(時差ボケ・入院・宿泊)・ 騒音・高音・高地・ブルーライト・ 運動不足 病気 ・ 精神疾患、(うつ病、躁病、統合失調症)、発熱、頻尿、痛み、かゆみ、不眠症以外の睡眠障害(レム睡眠時行動障害、ムズムズ脚症候群、睡眠時無呼吸症候群)
睡眠覚醒リズムの乱れ
精神的な弱さ ・ ストレス耐性の低さ ・ 問題対処能力の低さ ・ 未熟な性格 ・ 発達障害 薬剤 ・ 抗パーキンソン病薬 ・ 降圧剤 ・ 抗潰瘍薬 ・ ステロイド薬

入眠障害 : 寝付きが悪い 中途覚醒 : 何度も目が覚める 早朝覚醒 : 明け方に早く目が覚める 熟眠障害 : 深く眠れない、寝た気がしない

日中の眠気、集中力低下、作業効率低下

睡眠障害

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睡眠障害とは

睡眠障害とは、実際の睡眠時間の長短にかかわらず睡眠不足感が強く、日常生活を送るうえで支障がおきる状態のことです。

睡眠には個人差が大きく、短い睡眠時間でぐっすり眠る人もいれば、8時間以上眠らないとだめな人もいます。

また、加齢とともに、眠りが浅くなったり、朝早く目が覚めたりすることはよく知られています。
現代の複雑多様なストレス社会にあって、不眠に悩まされている人は多く、日本では不眠の出現率は一般人口の約20%(5人に1人)といわれています。

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睡眠障害の症状

睡眠障害(不眠症)に以下の4つの症状があります。

  • 精神生理学的要因による不眠
    これは最も一般的に多くみられる不眠であり、時差のある地域への飛行機旅行や精神的ショック、外科的手術のための入院など急激なストレス状況に対する一時的な反応として現れるものです。
  • 精神障害に伴う不眠
    心療内科、精神科領域では最も多くみられる不眠症で、神経症、うつ病・うつ状態、統合失調症あるいはその他の精神疾患の部分症状として現れるものです。
  • 薬物使用や飲酒による不眠
    慢性的な薬物依存やアルコール乱用・依存によるもので、とくにアルコールは、最初としては寝酒として飲んでいたのが、だんだん飲まないと眠れなくなり、次第に飲酒量が増え、寝つきはよいが、すぐに覚めてしまい、また飲むという悪循環を繰り返すようになります。
  • 身体疾患による不眠
    夜間の不整脈や呼吸困難、咳、喘息あるいは発熱やかゆみなどの身体的苦痛や不快感のために不眠になることがあるので、この場合は内科的診断と治療が必要になります。
    その他、まれなものとして、肥満による睡眠時無呼吸症候群や特発性周期性四肢運動(夜間ミオクローヌス)などで不眠(中途覚醒)となることがあります。
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睡眠障害の診断

睡眠障害の診断の流れ
どのような睡眠の問題があるのか特定する

  • 不眠、過眠、睡眠中の異常呼吸
  • 睡眠中の異常感覚・異常運動・異常行動
  • 睡眠・覚醒できる時間帯の異常

不眠に加えて食欲低下や興味の減退 はい
うつ病の疑い
いいえ    
睡眠時の呼吸停止やいびき、強い眠気 はい
睡眠時無呼吸症候群の疑い
いいえ    
夜間の足のむずむず、びくつきなど
睡眠に関連した感覚・運動症状
はい
睡眠関連運動障害の疑い
いいえ    
睡眠時間が十分なのに強い眠気 はい
過眠症の疑い
いいえ    
睡眠中に大声、手足を動かす、歩き回る
などの異常行動
はい
睡眠随伴症の疑い
いいえ    
昼夜逆転など眠れる時間帯の異常 はい
概日リズム睡眠障害の疑い
いいえ    
上記に当てはまる項目がないが不眠 はい
その他の原因による不眠症の疑い
分類 具体的な病名
不眠症 うつ病、アルコール性不眠症、薬の乱用
睡眠関連運動障害 睡眠時無呼吸症候群
過眠症 ナルコレプシー、特発性過眠症
概日リズム睡眠障害 睡眠相後退症候群、時差障害
睡眠時随伴症 夢中遊行、レム睡眠行動障害
睡眠関連運動障害 むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害
その他 致死性家族性不眠症、長・短時間睡眠
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睡眠障害の治療

まず、診断の項で述べた睡眠障害の分類に従って、身体的疾患や精神障害によるものは、まずこれらの基礎疾患の診断と治療が必要です。

心理療法

現実的に避けられないストレス状況があることは当然です。一人で悩んでいては解決つかない問題も誰かに相談することで考えが整理されることも多いので、知人、友人あるいは医師やカウンセラーなどに相談にのってもらうとよいでしょう。

不眠の人には、得てして「どうしても寝なければいけない」という思い込みや、「まったく眠れない」「一睡もできなかった」といったような極端な考え方をする人が多い傾向があります。これでは眠ることに意識過剰になり、かえって緊張状態になって、ますます不眠が強くなるという悪循環をきたすようになります。こういう場合は、「完全に眠れなくても大丈夫だ」というようにこだわりをゆるめることが大切です。

また、心身の過度な緊張のある人には、リラックスする方法として自律訓練法を習得したり、最近では音楽・映像DVDなどが市販されているので試してみたりするのもよいでしょう。

薬物療法

睡眠薬の使用にあたっては、不眠症のタイプにあった適切な薬剤を選択することが重要です。医師の指示を守ることは原則です。睡眠障害(不眠症)の3つの症状にしたがって適切な睡眠薬を選択します。

  • 入眠障害:吸収と代謝が早く、効果発現までの時間が短く、作用時間が短い、短時間作用型の睡眠薬が有効。(ハルシオン・マイスリー・アモバン・ルネスタ・レンドルミン)
  • 熟眠障害:中間型の睡眠薬が有効。(サイレース・ベンザリン・ユーロジン)
  • 早朝覚醒:長時間作用型の睡眠薬が有効。(ドラール)

不安が強くて寝つけない場合:抗不安薬が有効です。(デパス)

生活習慣上の注意点

多くの人が悩んでいる不眠は、心理・社会的ストレスによる反応として現れます。自分では処理できない過重な責任や悩み、緊張状態などで眠れなくなる場合と、ストレスによって生活のリズムが乱れたり、就寝前の過剰な飲酒・喫煙あるいは刺激物(コーヒー・紅茶などのカフェイン)などの生活習慣が変化したりすることによって睡眠障害になる場合があります。

これらの場合は、日頃からストレス解消法を身につけておくことや相談相手を確保すること、生活習慣に注意して規則正しい生活リズムを心がけることが大切です。

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睡眠障害と生活習慣病の関連

睡眠障害もまた生活習慣病の発症に関わっています。以前から生活習慣病を有する患者さんでは、睡眠時無呼吸症候群や不眠症の方が多いことが知られていました。その後の多くの研究によって、睡眠障害が生活習慣病の罹患リスクを高め症状を悪化させることや、その発症メカニズムが明らかになりつつあります。

睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、夜間の頻回の呼吸停止によって「低酸素血症と交感神経の緊張(血管収縮)」「酸化ストレスや炎症」「代謝異常(食欲抑制ホルモンのレプチン抵抗性・インスリン抵抗性)」などの生活習慣病の準備状態が進み、その結果として5~10年後には高血圧・心不全・虚血性心疾患・脳血管障害などに罹りやすくなります。

慢性不眠症の患者さんもまた、「交感神経の緊張」「糖質コルチコイド(血糖を上昇させる)の過剰分泌」「睡眠時間の短縮」「うつ状態による活動性の低下」など多くの生活習慣病リスクを抱えています。入眠困難や中途覚醒・早朝覚醒など不眠症状のある人では良眠している人に比較して糖尿病になるリスクが1.5~2倍になることが知られています。

図1

「栄養・食生活の管理」「身体活動・運動」「禁煙・節酒」などと並んで「十分な睡眠の確保」に取り組んできました。不規則な食事・運動不足・ニコチン・アルコール過飲によって睡眠状態は悪化しますので、これら生活習慣を改善することは良質な睡眠を保つことにもつながります。逆に言えば睡眠障害もまた生活習慣病のひとつと考えるべきでしょう。

日々の生活の中で睡眠時間はともすれば犠牲になりがちです。ただし今回ご紹介したように長期にわたり睡眠不足を続けたり、睡眠障害を放置したりするとは私たちの健康を大きく害します。睡眠問題は静かにしかし着実に心身の健康を蝕みます。睡眠習慣の問題や睡眠障害を放置せず、ご自分の睡眠状態に疑問や不調を感じたら、かかりつけ医もしくは睡眠専門医に相談をしてみましょう。

図2

図3

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睡眠障害対処の12の指針

  1. 睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
    • 睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
    • 歳をとると必要な睡眠時間は短くなる
  2. 刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
    • 就床前4時間のカフェイン摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
    • 軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング
  3. 眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
    • 眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする
  4. 同じ時刻に毎日起床
    • 早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
    • 日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる
  5. 光の利用でよい睡眠
    • 目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン
    • 夜は明るすぎない照明を
  6. 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
    • 朝食は心と体の目覚めに重要、内臓時計をスイッチオン
    • 夜食はごく軽く
    • 運動習慣は熟睡を促進
  7. 昼寝をするなら、15時前の20~30分
    • 長い昼寝はかえってぼんやりのもと
    • 夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響
  8. 眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
    • 寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
  9. 睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
    • 背景に睡眠の病気、専門治療が必要
  10. 十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
    • 長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談
    • 車の運転に注意
  11. 睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
    • 睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる
  12. 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
    • 一定時刻に服用し就床
    • アルコールとの併用をしない
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レム睡眠時行動障害

大声を出してうなされる場合、「レム睡眠時行動障害」の可能性があります。高齢者に多い病気で、レム睡眠が起きるメカニズムの不調が原因と考えられます。

レム睡眠は、脳が活発に活動しているけれど、体に指令は伝わらない眠りのことです。何らかの理由で指令が伝わってしまうと体が動きます。

眠りに就くと、脳を休ませるノンレム睡眠に入りますが、1時間半ほどの間隔でレム睡眠が数分~数十分はさまれます。

夢に合わせて激しい動きをすることも特徴です。寝具をたたいたり、ベッドから落ちたりします。隣で寝ている人が巻き込まれ、怪我をすることもあります。本人は追いかけられたり襲われたりする夢を見てりることが多いようです。寝る前の飲酒は、症状を悪化させる要因です。

うなされている時、「バカヤロー」などと寝言が出る場合もありますが、寝言が本来の性格を表すわけではないので、心配ありません。

治療法

抗てんかん薬(ランドセン、リボトリール)で改善します。頻繁にうなされたり、激しい行動がでたりするようになら、当院を受診してみて下さい。

  • 寝床の周りに怪我につながるような物を置かないことが大切です。大声をあげて目覚めた際、寝付けなくなることがあります。今の状態から無理やり起こさず、そっとしておくとよいでしょう。
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