ADHD(注意欠如多動性障害)
不注意
勉強や仕事に集中できない。すぐに飽きる。相手の話を聞かない。
ものを忘れたり、なくしたりする。ケアレスミスが多い。
衝動性
会話中に相手の話しをさえぎる。思いつきをすぐに言動に移してしまう。
気に入らないことがあると感情的・攻撃的になる。
多動
落ち着きがなく、走り回わる、手足をぶらぶらする。お喋りがとまらない。
学校で椅子に座って話しを聞くことができず、教室から飛び出してしまう。
勉強や仕事に集中できない。すぐに飽きる。相手の話を聞かない。
ものを忘れたり、なくしたりする。ケアレスミスが多い。
会話中に相手の話しをさえぎる。思いつきをすぐに言動に移してしまう。
気に入らないことがあると感情的・攻撃的になる。
落ち着きがなく、走り回わる、手足をぶらぶらする。お喋りがとまらない。
学校で椅子に座って話しを聞くことができず、教室から飛び出してしまう。
他人との関わりや相手の気持を理解するのが苦手。
冗談や比喩が理解できない。話し方が回りくどく、細部にこだわりやすい。 ひとの表情や態度、身振りなどから相手の気持ちをくみとれない。
抽象的な事柄をイメージしたり、理解するのが難しい。
同じ状況へのこだわりが強く、新しい状況に柔軟に対応することが難しい。
音や臭い、痛みなどの感覚が過度に敏感あるいは鈍感。
発達障害というのは、子どもの精神機能が発達する過程で起きることがある、さまざまな障害の総称です。主な発達障害には、読む・書く・計算するなどの能力のうち、どれかが極端にできないLD(学習障害、限局性学習症)、多動で落ち着きがなく物事に集中するのが困難なADHD(注意欠如・多動性障害)、冗談や比喩を理解できずに言葉を額面どおりに解釈したり、特定のものごとへのこだわりが強かったりする自閉症スペクトラム障害ASD(自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群)などがあります。
発達障害者(児童から成人を含めて)は人口の1割以上いるとみられ、重い特性から軽い特性まで連続体(スペクトラム)として存在すると考えられます。特性が社会的に高く評価され、類いまれな業績を残す人もいます。
脳の機能障害のため社会生活で困難を抱えやすく、発達障害という脆弱性を有する人が社会的ストレス(学校、仕事、対人関係)によって、不適応を起こしたとき、その社会性のつまずきに伴う種々の精神症状(抑うつ症状、不安症状、解離症状)、身体症状、行動障害(拒食・過食、嗜癖、自傷、暴力、引きこもり)などを呈して精神科や身体診療科の外来を受診します。
アスペルガー症候群はASDの一タイプで、男性が女性の4〜5倍。知的障害や言語障害は伴わないが、相手の気持ちを察したり空気を読んだりするのが苦手で、コミュニケーション面で周りと齟齬(そご)が起きやすい。反面、数字や歴史などに強く、記憶力抜群で特定の分野で才能を発揮することもあります。
現在、日本でADHD治療薬としてコンサータ®(メチルフェニデート塩酸塩徐放剤)、ストラテラ®(アトモキセチン塩酸塩)、インチュニブ®(グアンファシン徐放錠)などが承認されていますが、当院では何れも院内での処方が可能です。
ADHDの症状の現れ方は人によって異なりますが、「不注意優勢型」「多動衝動性優勢型」「それら2つの混合」の3つのタイプに分ける事が出来ます。
ADHDの症状 | 小児 | 成人 |
---|---|---|
不注意症状 |
|
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多動症状 |
|
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衝動性症状 |
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|
以下の例は発達障害の症状における特性の一例であり、他にも様々なタイプの特性があります。また、これらの特性だけをもって断定されるものではありません。
急に予定が変わったり、初めての場所に行くと不安になり動けなくなることがよくあります。そんな時、周りの人が促すと余計に混乱して突然大声を出してしまうことがあります。周りの人には、「どうしてそんなに不安になるのか分からないので、何をしてあげたらよいかわからない」と言われてしまいます。
しかし、よく慣れた場所では誰よりも一生懸命、活動に取り組むことができます。
他の人と話している時に自分のことばかり話してしまって、相手の人にはっきりと「もう終わりにしましょう」と言われないと、止まらないことがよくあります。周りの人には、「相手の気持ちがわからない、自分勝手でわがままな」と言われてしまいます。
しかし、大好きな虫のことになると、博士と言われるぐらい専門家顔負けの知識を持っていて、お友達に感心されます。
会議で大事なことを忘れまいとメモを一生懸命とろうとするのですが、本当は書くことが苦手なので、書くことに集中しようと気を取られて、かえって会議の内容が分からなくなることがあります。後で会議の内容を周りの人に聞くので、頑張っているのに周りの人には、「もっと要領良く、メモを取ればいいのに」と言われてしまいます。
しかし、苦手なことを少しでも楽にできるように、ボイスレコーダーを使いこなしたり、その人の不得意に応じた他の方法を取り入れる工夫をすることができます。
大切な仕事の予定をよく忘れたり、大切な書類を置き忘れたりしてしまいます。周りの人にはあきれられ、「何回言っても忘れてしまう人、同じミスを繰り返す人」と言われてしまいます。
しかし、気配り名人で、困っている人がいれば誰よりも早く気づいて手助けすることができます。
上記の3つのタイプの他にも、「トゥレット症候群」のようにまばたき・顔しかめ・首振りのような「運動性チック症状」や、咳払い・鼻すすり・叫び声のような「音声チック」を主症状とするタイプのものも、発達障害者の定義には含まれています。
これらのタイプのうちどれにあたるのか、実際には障害の種類を明確に分けて診断することは大変難しいとされています。障害ごとの特徴が、それぞれ少しずつ重なり合っている場合も多いからです。また、年齢や対人関係、環境により目立つ症状が違ってくるので、診断された時期により、診断名が異なることもあります。
大事なことは、その人がどんなことができて、何が苦手なのか、どんな魅力があるのかといった「その人」に目を向けることです。そして、その人その人に合った支援をすることが大切です。